2017年10月11日水曜日

幸せになった保護犬たち②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログで、Pet Hotel 11!の”むかし保護犬だったお客様”をご紹介させていただきました。

最初にお断りしておきますが、今から書くことは、お預かりしているワンちゃんたちを見て、わたしたちが感じたことで、あくまでも私見です。


【元保護犬たちに共通していること】


●何かしらの弱点


前回のブログでご紹介したワンちゃんたちは、みな現在は優しい飼い主さんに引き取られて、家族の一員としてしあわせに暮らしている子たちです。

けれども、それぞれに背負っている過去は違いますが、何かしらトラウマといったものを抱えているのか、多少の”陰”のようなものがあるのも確かです。


ある子は、飼い主さんから虐待されていたかもしれません。

ある子は、大すきだった飼い主さんに捨てられたのかもしれません。

ある子は、保護施設内で他の犬たちにいじめられていたかもしれません。

ある子は、野良犬を経験し、その中で恐ろしい目にたくさん遭ったかもしれません。


ですから、前回のブログでご紹介したプロフィールをご覧いただいても解るように、ハンディキャップや苦手なこと、お預かりする上での注意点といったものがひとつもない子はいません。

そして、総じて臆病で気の小さい子が多いです。


●穏やかな性格


反面、しあわせになっている元保護犬たちに共通している点として挙げられるのが、みな、とても穏やかな性格をしていることです。

ハッキリと判っている苦手なシチュエーションに直面しない限り、我を失って暴れるようなことはまずありません。

他のワンちゃんとの関わり方も、単に消極的というのとは少し違っていて、”控え目”という表現がぴったりな雰囲気です。


たとえば、ラブラドール・レトリーバーのMAXくんは、気に入っているおもちゃを他のワンちゃんが奪いに来ると、相手が自分よりもうんと小さい子であっても、すぐに身を引いて譲ります。

アメリカン・コッカーのココちゃんは、堂々としていて、さほど他のワンちゃんを怯えている感じもないのですが、他のワンちゃんとは距離を置いて静かに過ごし、自分の存在がジャマにならないように振る舞っているように見えます。

MIX犬のゴディバくんと美月ちゃんは、どちらもグイグイくるワンちゃんが苦手なのですが、そういうタイプのワンちゃんが近づいてくると、同じような反応をします。

具体的に言うと・・・

『来ないでよ。来ないでよ~』

という様に静かに『ウ~・・・』という唸り声を上げ、イヤだということをアピールします。

が、ひたすら辛抱強く唸り続けていて、その次の段階・・・つまり『ガルルーッ!!』という威嚇の声をあげることは、わたしたちが見た限りでは1度もありませんでした

つまり・・・


『来ないでよ。来ないでよ~』(ウ~・・・)

から

『来るなって言ってんダロッ?!テメーしつこいんだよっ!!』(ガルルーッ!!)


という段階にはいかないんですね。

当然、そのまた更に上の威嚇・・・つまり、怖い顔で向かっていくそぶりをみせたりということにも発展しません。


わたしたちには、元保護犬たちに共通している その様な性質は、消極性ではなく、

ことを荒立てたくない

という平和主義のように見えます。

元保護犬が平和主義になる理由として、わたしたちが立てた仮説は、次のようなものです。


・多くの辛い経験が、彼らを精神的に大人にしたことで、忍耐力が強くなった。

・保護施設など、多くの血の気の多いワンちゃんが混在する厳しい環境にいた経験があるため、ケンカの本当の怖さを知っている。



●ストレス性の問題行動がない


それぞれに、過去の辛い経験を想起させるような弱点はあるものの、ストレスが原因と思われるような問題行動が見られないという点も、彼らに共通しているところです。

どういうことかというと・・・

彼ら元保護犬は、苦手なことや怖がることに対する、何かしらのケアや気遣いを必要としていることが多いです。

けれども、自分自身のワガママや欲求が叶えられないことで、イライラしたりムシャクシャしたり、我を通そうとしたりということがないんです。

具体的な例を挙げると、例えば・・・


自分が一番可愛がられたいのに、他の子がイイコイイコされていると、ムキーッ!って床を掻きむしるようなこともありません(←”なつ”のことか?)

自分が欲しいボールが手の届かないところに行ってしまうと、いつまでもいつまでもしつこくねだってクンクン言うようなこともありません(←ボスだな・・・)

ごはんをもらう順番が最後の方になったからといって「早くよこせっ!!」という風にキャンキャン騒ぐこともありません。

かまってもらえない時間に、オシッコシートを引き裂くようなこともありません。


元保護犬たちが、こういった性質になった理由として、わたしたちが立てた仮説は、次のようなものです。

・多くの辛い経験が、彼らを精神的に大人にしたことで、忍耐力が強くなった。(↑と同じですね)

・過去の辛い経験が、彼らの欲求レベルを下げている。つまり、ささやかな幸せの大切さを実感している。

・そして、なによりも現在の飼い主さんとの生活そのものにとても幸せを感じていて満ち足りている。


元保護犬のワンちゃんたちが穏やかで、ストレス性の問題行動が少ないという点に一番大きく関与していると思われるのは、やはり現在の飼い主さんのワンちゃんへの接し方です。

そこで次回は、保護犬を引き取って育てておられる飼い主さんたちに共通していることをお話していきたいと思います。



<今日のPet Hotel 11!>

朝の海岸さんぽ。
今日のおさんぽは、特に・・・・

たのしいっ♪♪

どうしてかっていうと・・・
護岸壁の上をずーっと歩かせてもらったから!!
全ワン、テンション高い高い!(笑)

ウリくんはボスが大すき♪
だから、なんでもマネします。

ボスが、登れない植木のところを覗いていると・・・
ウリくんも何かあるのかとしきりに覗き・・・

ボスが遊び疲れて寝てしまうと・・・

ウリくんもペッタンコになってお昼寝しちゃいます(笑)
久々のお泊りだったけど、ずいぶん成長したねぇ~!
ウリくん、またストレス発散しにおいでねー(^▽^)/