つづきです。
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茅ヶ崎の譲渡会に行って
批判殺到【茅ヶ崎譲渡会】①(あるセレブ一家の物語)
批判殺到【茅ヶ崎譲渡会】②(あのような譲渡会になったワケ)
【目的を見失わないために】
●説明足らずによる誤解
今回の譲渡会を主催した保護団体さんが、このような形式になった理由や、ご自分たちの考えを募集の説明に付け加えていたなら、こんなに酷いバッシングを受けることはなかったかもしれません。
だけど、そのヒマはなかった・・・。
イヤでも耳に入ってくる批判の声を聞きながら、どんなに歯がゆい思いでいらっしゃったことかと胸が痛みます。
でも、主催者側の保護団体さんご自身、批判は覚悟の上で譲渡会に踏み切ったのです。
今後30頭のフォローを徹底することで、心配している人たちにも納得してもらえる・・・誰もがそう思っていたのではないでしょうか。
●あまりに悲しいバッシング
今回の譲渡会のあり方に疑問を感じた方はたくさんいらっしゃることでしょう。
実際、反対の声をネット上に上げた方も多くいらっしゃいました。
事情を知らなかったのですから、無理もないことだと思います。
次からは批判の声をネットという公の場に拡散する前に、少し立ち止まって、よくよく真相を確認してからにできたらいいですね。
人間だもの(みつを)
けれども、わたしがとても悲しく思ったのは、譲渡会の当日、反対派の保護団体さんが会場で一部始終をご覧になっていたと知った時です。
後日、ネット上にはその団体さんが撮影した譲渡会場の様子と、具体的にどんな点がいかに酷かったか?という克明なレポートが掲載されました。
あの嵐の日に・・・
予想外に多い来場者を前に、必死に働いていた主催者側の人々と、引取りに来ていた大勢の人々は、30頭の子をなんとか救いたいというひとつの想いでそこに集っていました。
その中に、まったく違う目的を持っている人がいたということにショックを受けました。
30頭の行く末を心底案じているのならば、批判のための情報収集や撮影の代わりに、同じ保護団体として少しでも30頭のためになりそうなお手伝いをしてあげようとは少しも思われなかったのだろううか・・・
多忙を極めた主催者の手が回らず、なかなかオシッコシートを取り換えてもらえない子を見つけたら、可哀相に感じてその子のシートを取り換えてあげようとは思わなかったのだろうか・・・
どうして・・・?!
●目的を見失うほどの過酷な現状
わたしは最初、その事実を知ったときに、
『いったい、この人たちの目的はなんなのか・・・それがあの30頭のためになると考えているのだろうか?』
と首をかしげました。
けれども冷静になって考えてみると、その保護団体さんもまた、事態の根本的な解決策を打ち出すことなく”殺処分ゼロ”を掲げている行政に振り回されている被害者なのだということに気づきました。
保護しても保護しても遺棄される犬たちを受け止め続けてきた保護団体さんたちは、目の前の子を救うことに必死です。
時間に追われ、作業に忙殺される日々の中で、本来の目的を見失ってしまうことは、わたしたち人間によくあることです。
保護活動をされているくらいですから、心の優しい方に違いありません。
『可哀相!』
という感情で我を失ってしまったのかもしれません。
”暖簾に腕押し”の行政に向けられぬ怒りを、あらぬ方にぶつけてしまっただけかもしれません。
わたしは、彼らは心身共に疲れ切っているために保護犬のために本来すべきことは何か?ということが見えなくなってしまっているのだと気づいた時、彼らを責めることは間違っていると感じました。
●本来の目的って?
わたしたちの目的・・・
当然、殺処分をゼロにすることは絶対に守りたい目的です。
では、そのために必要なことはなんでしょう?
それは、保護犬をゼロに近づけることです。
(飼い主の病死など、やむを得ない事情もあるため、保護犬ゼロは無理なことですね)
”殺処分ゼロ”は、その結果として達成する”最終目的”であって、”当面の目的”にしてはダメなのです。
残念ながら今のやり方では、殺処分は近いうちに再開せざるを得なくなるのは明白ですね。
『そうは思わない。今の活動を続けていけば大丈夫だ』
という人はいらっしゃるでしょうか?
保護犬の頭数自体を減らすための根本的な制度改革や法改正や啓蒙活動があって・・・
その結果、保護犬が減って・・・
センターでケアや適正な譲渡活動ができる程度の頭数におさまるようになって・・・
それでもどうしても無理なところは保護団体が時々手を貸す。
それが、継続的に殺処分をゼロにするために、わたしたちが目指すべき形なのではないでしょうか?
●仲間割れは目標を遠ざけるだけ
天井に無数の穴が空いて、雨漏りしている家の中で、洗面器やボールやドンブリを駆使して、必死で床が濡れないように走り回っている人々を想像してみてください。
それが、保護団体さんたちです。
頑張っても、どうしても濡れてしまう箇所はあるんです。
その中に、
『これじゃあ追いつかない。いつか床が腐ってしまう。』
ということに気づいて、屋根自体の補修に必要な道具を買いに走った人たちがいたとします。
ドンブリで雨漏りを受け止めている人の何人かは
『アイツら~!この忙しいのにサボってどこ行ってるんだ?!アイツらの持ち場がびしょ濡れじゃないか!なんてヤツらだ!』
そう批難するかもしれません。
批判された方だって頭にきて
『言いたいやつには言わせておけ!あんなヤツら知らん!フンッ!』
・・・・こんな風に仲間割れしてしまったら、その間に床はたちまちびしょ濡れになって、ジ・エンドです。
でも・・・真相が解れば、お互いに同じ目標を目指す仲間としてノーサイドにできるのじゃないかなぁ・・・
その方が保護犬たちのためにもきっといいのになぁ・・・もったいないなぁ・・・
そんなことを考えてしまいました。
そういえば、つい最近も、『倒せるはずの与党を仲間割れが原因で倒せなかった野党の物語』っていうのをどっかで聞いたことがあるような・・・(気のせいかな?)
世界中で起きている戦争の中に”正義 vs 悪者”の戦争はひとつもありません。
どの戦争においても、どちらも自分の方を”正義”だと固く信じているんです。
なのに”正義”を振りかざして起こした戦争は何一つステキな未来をもたらさないんですね・・・
●大事なのはこれから
茅ヶ崎の譲渡会で各家庭に引き取られていった30頭のワンちゃんたちの本当の幸せは、これからの関係者の連携にかかっています。
市役所の若手職員さんと、それをフォローをしている保護団体さんは、30頭の追跡調査や飼い主さんからの相談受付、そしていずれは30頭の同窓会なども計画して下さっていて、現在シャカリキに奔走されています。
もし!彼らを批判している時間がある人がいたら、ぜひともその時間を彼らのお手伝いに使ってあげてほしいなぁ~・・・
きっと、とっても喜んでくれるのではないかと思います!
こんなことを書いているわたしも、バッシングの標的になってしまうのかもしれませんね。
とても悲しいですが、それならそれで、仕方のないことだと思っています。
言論の自由が守られている国に生まれてヨカッタと思っていますから(笑)
今回の記事を読んで、不快な気持ちになられた方がいらしたら、心からお詫び申し上げます。
それにつけても・・・行政、とりわけ国はいつになったらホンキになるのか~・・・
<今日のPet Hotel 11!>
あ!誰か来たヨ! |
わーい!誰だ誰だ~? (ワラワラワラワラ・・・) |
やって来たのはゲンキくんとユズちゃんでした~ 見事なシンクロ! |
こりゃ金メダル間違いなしだな! |
あ・・・ちょっと今写さないでよう! |
お転婆娘たち。顔がもうオテンバ(笑) |
ユズちゃん「コンコン♪」 モカちゃん「いませーん」 |
おっかしいなぁ・・・ |
あ、”なつ”のその誘いにウッカリのると 怒られるぞ~~~~ Σ(゚∀゚ノ)ノ |
おっとりして、人懐っこいのに とっても落ち着きのあるゲンキくん。 精悍な顔だちだなぁ・・・ |