2018年1月3日水曜日

笑う門には犬来る?①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





【笑う門には犬来る?】


●アナタのワンちゃんはどっち?


新しい1年が始まりました。

「去年はイライラガミガミしている時が多かったけど、今年はもっとおおらかに笑顔で過ごす時間を増やそう」

なんて毎年決意を新たにしている方も多いのではないでしょーか?


突然ですが、ここでワンちゃんの飼い主さんに質問です。

「アナタのワンちゃんは、アナタがワンちゃんにこわぁい顔をして見せるとジーーっと見つめますか?それともあまり目を合わせようとしませんか?」


●ワンちゃんの気持ち


昨年秋に、ヘルシンキ大学がワンちゃんに関するおもしろい実験結果を発表しました。

<実験概要>

43頭のワンちゃんたちに、以下のような条件で見知らぬ人間の顔写真を見せて、ワンちゃんがそれにどの程度注目するかを見るという実験です。


P1)プラセボスプレーをワンちゃんの鼻腔に投与した状態で笑った表情の顔写真を見せる。

P2)プラセボスプレーをワンちゃんの鼻腔に投与した状態で怒った表情の顔写真を見せる。

O1)オキシトシンスプレーをワンちゃんの鼻腔に投与した状態で笑った表情の顔写真を見せる。

O2)オキシトシンスプレーをワンちゃんの鼻腔に投与した状態で怒った表情の顔写真を見せる。


プラセボっていうのは、有効成分をなんにも含まないものってことです。

オキシトシンっていうのは、”幸せホルモン”とか”愛情ホルモン”などと呼ばれるホルモンの一種です。

※オキシトシンについての詳しい説明は、以前このブログの記事でもご紹介しているのでそちらをご一読ください。

「犬と猫、飼い主さんへの愛情が強いのは?①」



<実験結果>

次の画像は、ワンちゃんの目線の動き注視した時間がわかる画像です。

画像中のは、ワンちゃんの視線の移動を表しています。

画像中のは、大きいほどワンちゃんが長い時間ジーーーっと見つめたことを表しています。

おお~!見つめてますねぇ~~~(想像しただけでカワイイですねぇ~♪)




PLBと書いてある上の2枚の画像がプラセボを投与した時のもの。

OXTと書いてある下の2枚の画像がオキシトシンを投与した時のものです。


ちなみに、なんでわざわざ有効成分をなんにも含まないプラセボなんちゅーものを投与すんのかー?めんどくさいじゃないかー?ってことですが・・・

実験結果が

なにかしらの「スプレーをした時」となんにも「スプレーしていない時」の比較

になっては困るからですね。


例えばアナタが毎朝ヘアスプレーをシュッ♪ってした時にクシャミが出ちゃうとしても、それだけでは

「このヘアスプレーの中の何かの成分がクシャミを引き起こしているんだ」

ってことにはならないんでっすぅ~(←なんか憎たらしいな)

なーんの成分も入っていない、例えば水道水をシュッ♪ってやってみても、もしかするとクシャンッ!って出ちゃうかもしれない・・・

もしそうだとしたら、クシャミの原因はヘアスプレーとは限らなくて、霧状の液体全般かもしれませんよね?

でも、水道水をシュッ♪ってやった時にはクシャミが出なかった時にはじめて

「やっぱりこのヘアスプレー、ワタシには合わないみたい・・・」

ってことが判明します。

今回のヘルシンキ大学の実験では、オキシトシンという成分の影響を確認したいので、比較対象の方にはわざわざなんの有効成分も含まないスプレーをしたってことなんです。


あ・・・(-_-;) また”ちなみの話”が長くなっちゃいました。

お話を先に進めましょーー!


要するに、実験の結果を簡単に言ってしまうと

気持ちがとても安定しているワンちゃんは、人間の怒った顔よりも笑った顔により注目するといえそうだ。

ってことなんですね。


●だから?


この実験結果から何が推測されるかということですが・・・

まず、愛犬の心の状態を飼い主さんが知るのに役立つ情報ですね。

愛犬に向かって、声を発せずにしかめっ面をしてみせて、愛犬がまったく興味を示さないとしたら、

「ヨカッタ、うちの子は精神的に安定しているんだわぁ~♪」

と考えられるかもしれません。

画像を見ても、オキシトシンを投与された状態で怒った顔を示されたワンちゃんは、チラッと見てはすぐに目をそらしていて、怒っている顔にはあまり興味がないようにみえますね。

逆に、愛犬が飼い主さんのしかめっ面をジィーーーっと凝視する時は、何かしら不安な気持ちを抱えているのかもしれません。

「あれ?でも上の2枚は有効成分を含まないプラセボ投与なんだから、ワンちゃんは不安な気持ちってワケではないんじゃない?」

と思われるかもしれませんが、この実験で使用した表情画像は、ワンちゃんにとって見知らぬ人のものです。

「誰だコイツ?味方か?それとも敵なのか?」

という相手に対して、大抵のワンちゃんは警戒して不安な気持ちを持っているという推測が成り立つわけです。



考えてみれば、人間の子どもに置き換えてみても同じことが言えるような気がします。

「顔色をうかがう」

って言葉がありますが、これは主に

「怒ってないかな?機嫌が悪くないかな?」

ってことを伺っている状態ですよね?

親や先生に怒られやしないか?ってなことばかりを気にしてビクビクしている子は、う~~ん・・・ちょっと心配ですね。

ところが、お母さんが鬼の形相で

「ゴルァーーっ!!何度言ったらわかるのアンタはぁーーっ?!」

と凄んでいるとゆーのに、そんなお母さんを一瞥もすることなく

「キャッホーーーイ♪」

って遊んでいる子どもは、少なくともお母さんとの愛情関係には不安を抱えていないことがわかりますよね。

(ナメてますけど・・・(;^_^A)


じゃあ、この実験は単に愛犬の心の安定を推し量るのに役立つだけなんでしょーか?

わたしはそうは思いません。


長くなるのでつづきはまた次回にしまーす!


(出典:Frontiers Media




<今日のPet Hotel 11!>

相性が悪く、すぐケンカするふたりなので
柵で仕切っているんだけど・・・

ようするに・・・

似た者同士なのか?(笑)
柵越しにずっと見つめあって同じ行動・・・

チコくんはなぜかボスのことが大好き!

ねえねえボスくーーん!

ボスくんってばぁー!

ねえ、遊んでよボスくん・・・

そんなチコくんの気持ちを知らないボスは
「ボールはあげないよっ!!」

イヤ鈍感すぎ~~!

さ~~よなら~アナタぁ~~
ぅワタシはぁ~~~帰りますぅ~~~♪

ココちゃん、よく頑張ったね!
また遊びにおいでね~(^▽^)/

オイラも帰るんだ~~♪
ラニくん、楽しかったよ!ごはんシッカリ食べて
元気でね!またおいでーー(^▽^)/