2018年5月31日木曜日

命の尊厳について③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回ブログのつづきです。




ペットホテルオーナーとして今まで出会った飼い主さんの 印象に残ったお言葉を紹介させていただきました。

おふたりの飼い主さんのお言葉が印象的なのは何故でしょう。

わたしは、その理由を次のように考えています。


・おふたりの「犬を飼うこと」や「命」に対する覚悟のようなものが現れているから。

・おふたりがその姿勢を「行動」で示しているから。

・そういったことを頭では理解していてもなかなかできない人の方が多いように思うから。


では、おふたりの飼い主さんの


「犬を飼うこと」や「命」への向き合い方の姿勢とは、どういうものでしょう?

ひとつひとつ、掘り下げていってみたいと思います。


ここからのお話は、わたしの個人的な見解となります。



【ポジティブなリーダー】


●なぜポジティブ?


少し前に書かせていただいた「おりこうワンちゃんのレシピ(最終回)」の中で、


飼い主さんがおおらかで心身ともに健全であること


の大切さを書かせていただきました。

ひとことで言うと


「飼い主さんはポジティブなリーダーであれ!」


ということになります。

なぜポジティブでなくてはならないかというと、動物の世界ではネガティブ=「弱い」と判断されるからです。

動物たちにとって、弱い者と共にいることは命を危険に晒すことですし、まして弱い者がリーダーならば群全体の危機です。


ネガティブな個体は群のメンバー(ワンちゃん)からリーダーだとみなされない

→ワンちゃんが指示に従う(おりこうにする)ワケがない!


ってことですね(;´Д`)



●ただの楽天家?


ここで言っている「ポジティブ」というのは、みなさんがイメージしている「ポジティブ」とは少し違っているかもしれません。


「え~?ポジティブって・・・楽観的とか楽天的とか前向きって意味でしょ?」


って括って(くくって)しまうと、なんかもうポジティブな人ってアホみたいな印象になっちゃいますけど・・・(-_-;)


ちがーーーうっ!!



野犬の群がエサを求めて渓谷を歩いていました。

絶壁の上から見下ろすと、はるか下に鹿の群が・・・


A「あ!リーダー、下に美味しそうな鹿がいやすぜいっ♪」

B「ああ・・・でもここから降りていたらもう間に合わないやー・・・くそ~~!」

リーダー「よし、飛び降りよう!」

一同「え・・・・死んじゃいますよ~・・・汗」

リーダー「そ~か~?行けんじゃね?ヘーキヘーキぃ~~♪」


おお!なんてポジティブなリーダー・・・って、


ちがーーーうっ!!


殺す気か?と・・・

バカなのか?と・・・


こんなリーダーに着いていくわけにはいきませんね(-_-;)




●常に前向きで危機感を感じない?


「ああ、じゃあポジティブってゆーのは、イヤなことがあっても楽しい気持ちでいられる才能のことでしょ?」


って括って(くくって)しまうと、これまたポジティブな人って”鈍感なお人よし”みたいな印象になっちゃうので・・・


ちがーーーうっ!!


やはり、野犬の群で・・・(←またかい?)


A「リーダー、お腹空きましたねぇ~」

B「ここんとこ、獲物がサッパリ摂れなくて、空腹で辛すぎますよぅ~。どうします?」

リーダー「そうか?!オマエら、まだまだだな!空腹を嘆くよりも楽しいことだけ考えよーぜっ♪」

一同「え・・・・死んじゃいますよ~・・・汗」

リーダー「ハハハ♪それもいーんじゃね?!」


おお!なんてポジティブなリーダー・・・って、


ちがーーーうっ!!


飢え死にするよ?と・・・

バカだろう?と・・・



じゃあ、ここで言っている「ポジティブ」っていうのはどういうことかというと・・・たーだ単に”お気楽さん”を指しているんではなく(←あったりまえだ)


「現実を受け止め、今を懸命に生きようとする姿勢」


を指しています。



●今を生きる



「現実を受け止め、今を懸命に生きようとする姿勢」

って・・・ぜ~んぜんポジティブって感じがしなーい(ブーブー)

とお感じになるかもしれませんが・・・(・_・;)


動物たちはみな、現実を受け止めて今を懸命に生きようとしているとは思いませんか?


人間は、過去や未来、そして自らの”死”について思い悩む唯一の生き物だと言われています。



男「お誕生日おめでとう!君の瞳に乾杯(チンッ♪)」

女「ありがとう!ワタシ今、とっても幸せ!幸せすぎてなんだかこわいっ!こわいわっ!いつの日かこの幸せが壊れてしまうんじゃないかって・・・・」


このような三流ドラマのやり取りを、


「わかるわぁ~~~!!」


と観ているのは人間ばかりで、犬たちは


「バッカじゃねーの?いいからその旨そうなディナーを楽しめよ!要らないならくれーーい!」


と思うに違いありません。


犬たちはとても賢い生き物ですから、過去の記憶は持っていますし、過去の経験から多くのことを学習をしています。

未来のことを予測する能力がないなんてことはありませんから、予測を立てて狩をすることだってもちろんできます。

「死」について考察を巡らすことはなくても、命の危険に対して敏感なことから、自らの命が永遠だと思っていないことは明らかです。


にも拘わらず、彼らは人間のように過去や未来や死についてクヨクヨと思い悩んで「今」を浪費したり台無しにするような無駄なことはしないということですね。


このポジティブさがお解りでしょうか?



●ネガティブな飼い主とポジティブな犬


Aさんが残業を終え、ボロ雑巾のように疲れ果てて帰宅すると、元保護犬の愛犬ジョンが部屋中をメチャクチャにしていました。

カップボードに入っていたオヤツの袋がビリビリになって散乱しています。

日ごろからジョンのこういった破壊行動や無駄吠えに思い悩んでいたAさんは、感情を抑えることができず、ジョンに大声で怒鳴りました。


「んもー!夕飯はヌキよ!!!」


ものすごい勢いでハウスに押し込められたジョン。

ごはんの時間になっても、ごはんを持った飼い主さんはやってきません。

ハウスの中で暴れながら、延々吠え続けるジョンの声は深夜まで続きました。


布団をかぶってジョンの吠える声を聴くAさんの枕は涙で濡れていました。


「どうしてジョンはああなのかしら・・・?

私なりに一生懸命やっているのに・・・

こんなに聞き分けがないのは、私のことを嫌いだから?

私に不満を持っているの?

それとも、やっぱり元保護犬だから?

可哀想だと思って甘やかしたのがいけなかったのかしら・・・

赤ちゃんの時から飼っていたら、こんなことにはなっていなかったような気がするわ・・・

嗚呼、保護犬なんて引取らなければよかった・・・

ジョンだって、私に引き取られなければもっと幸せだったかもしれない・・・」


何の役にも立たないことを考えて、モーレツにクヨクヨしていますね(-_-;)


一方そのころ、当のジョンは何を考えているでしょーか?


「どうしてこんな家に来ちゃったんだろう・・・

あんなにイライラしてごはんもくれないなんてっ・・・動物虐待だっ!

ボクが飼い主さんのオヤツを食べたから根に持っているのかな?

ボクは元飼い主さんに捨てられた可哀想な犬なんだぞ・・・

オヤツくらい、いいじゃないか!

なのにこんな扱いはあんまりだよ!」


・・・って、こんなことを考えている?


ちがーーーうっ!!


ジョンが考えていることはただひとつ。


「どうすりゃごはんにありつけるかなぁ」


これだけです。


このように、犬(動物)たちは


現実を受け止め、今を懸命に生きようとしている。


ただ、それだけなんです。


要するに、犬(動物)たちは基本的にポジティブです。

そんなポジティブな犬たちが、現実を受け止めず過去や未来や来る日の死を思い悩むことに囚われているような人をリーダーだと思えるでしょーか?



ご紹介した飼い主さんたちの言葉には、「現実を受け止め、今を懸命に生きる」姿勢が伺えるように思うんです。



長くなるので、つづきはまた次回にしまーす!





<今日のPet Hotel 11!>

ウリだよ~ん!
ちょっとみんな聞いてくれる~?

このMくんのママがね、ボクのファンなんだってさー♪

Mくん「ママがね・・・ボクはキミのこと知らないから」
ウリくん「え・・・」

ん?!

誰か来たよっ!!

だ~れだ~れ~?

ワーキャー♪

L兄「こんにちは。また弟と一緒にお世話になります」

L弟「ヤッホー♪ボクたち また来てあげたよ~!」

ウリくんは、クルクルカーリー軍団がいっぱいで
喜んでおります♪

Mくんも、なんだかすごく嬉しくなっちゃってます(笑)

ボスはどさくさに紛れてチャコに乗っかろうと・・・
チャコ「ちょっと!なにすんのよーーうっ!」
ボス「あ・・・ごめん」

んで・・・”なつ”は何してんの?
なつ「教えなーーい」(;'∀')

ウリくん「ボクがレインコート嫌いだって
いつになったら気づいてくれるんだろう・・・」

わかってるよ!(笑)








2018年5月30日水曜日

命の尊厳について②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回ブログのつづきです。


【印象に残った飼い主さんのお話(その2)】




●白(シロ)ちゃんの飼い主さん


◇拾った子


シロちゃんは、トイプーの女の子で年齢は10才くらいです。

※飼い主さんのお許しがありましたので、ワンちゃんのお名前をオープンにさせていただきます。


初めて飼い主さんからお電話をいただいた時、とっても明るい声で飼い主さんが次のようにおっしゃったのがとても印象的でした。


「拾った子なんです!でもとっても大切にしているんです♪」


「保護した子」ではなく「拾った子」という言葉をチョイスされていたのが印象的だったのですが、飼い主さんがあえて「拾った子」とおっしゃった意味は、後になって解った気がしました。



◇死んじゃっても大丈夫です


もうひとつ印象的だったのは、事前面談にシロちゃんと一緒にお越しくださった時に飼い主さんがおっしゃっていた次のお言葉です。


「私、もしもお泊り中にシロちゃんが死んじゃってもぜんぜん大丈夫ですから♪

もうシロちゃんは1回死んじゃったようなものなんです。

今は第2のオマケの犬生なんだもんね~~!(シロちゃんに向かって)」


ケロリと明るい様子でこんな風におっしゃるシロちゃんの飼い主さんなのでした。


上記は、高齢のワンちゃんをお預かりする際に、飼い主さんに通常の規約とは別に署名いただいている次の書類にサインをいただいた時に飼い主さんがおっしゃったお言葉です。


「高齢ワンちゃんの飼い主さまへ」


決して楽しい内容が書かれた書類ではありませんので、わたしたちもサインをいただくのは心苦しいのですが、言いにくいことでもお伝えしておくべきことはハッキリお伝えするのが、大事なお仕事のひとつだと思っています。

幸い、今までこの書類を見てサインを拒否する飼い主さんはいらっしゃいませんでしたし、みなさん真剣にお読みくださり、


「はい、わかりました」

とか

「そうですよねぇ~~・・・ナットクしました」


などと言ってサインして下さるのですが、シロちゃんの飼い主さんのように明るく


「死んじゃってもぜんぜん大丈夫です♪」


なんておっしゃる飼い主さんは初めてでした。



◇白(シロ)ちゃんというお名前


シロちゃんは薄茶色の毛色をしています。


白くないシロちゃん(笑)


わたしは飼い主さんに


「どうして白くないのにシロちゃんというお名前にしたんですか?」


と尋ねました。

すると飼い主さんは


「拾った時、もっともっと真っ黒に汚れてたんです。

お風呂に入れてあげたら、ワーー!白くなったねー!って・・・

これでも白くなったんですよ(笑)

それに・・・

もしかすると飼い主が現れるかもしれなかったので、あまり考え抜いて名前をつけてしまうと情がうつるといけないと思って・・・

それで白ちゃんにしました!」



◇飼い主探しはしない


シロちゃんは、飼い主さんのおうちの前をひとりぼっちで歩いていたところを見つけてもらい、おうちに連れて帰ってもらいました。

シロちゃんの毛はモジャモジャボーボーで、酷く汚れていたそうです。

もし迷子なら飼い主さんが心配して探しているはずですから、もちろん警察などに届け出をしましたが、結局元飼い主さんは現れなかったそうです。

いきさつを知っている人には何度か


「飼い主は見つかった?」


と尋ねられたそうですが、シロちゃんの飼い主さんは次のように答えられたそうです。


「飼い主なんて探してないよ。

必要な届出はしてあるし、私が探すことはないと思う。

この子を一生懸命探してくれる飼い主じゃなければ返してあげないつもり。」



◇シロちゃんの過去


シロちゃんは獣医さんの見立てによると”推定10才くらい”とのことでした。

けれども、後ろ脚はすでに踏ん張りが効かなくなっていて、時折横に”流れて”しまいますし、敷居のようなちょっとした段差も「ヨッコラショ・・・」という感じで通過します。

また、目はよく見えているようですが、お耳は既に聴こえていないようで、呼んでも反応はありません。

それに、シロちゃんは知らない間にウンチが出てしまいます。

そういったことから、推定年齢よりももっと上の年齢に見えるSちゃんについて、飼い主さんと


「もしかすると元繁殖犬なのかもしれませんね~」


「そうなんです。何度か出産している感じもするんですよねー」


というような会話を交わしました。

我が家の愛犬チャコも元繁殖犬で、やっぱり推定年齢4-5才と言われていながら、すぐに疲れてしまったり筋肉量が少なくて体がダラリとしていたりと、年齢よりもうんと年取って見えます。

繁殖犬は、出産を繰り返すことで体力をずいぶん使ってしまい、早くに老けてしまうのですね。


もちろん、シロちゃんの過去について判っていることは何もありませんから、これは単なる想像でしかありませんし、シロちゃんの飼い主さんは、シロちゃんの過去について気にも留めていらっしゃいません。



◇幸せです♪


飼い主さんいわく「ヨボヨボの捨て犬 シロちゃん」のことを知ると多くの人が表情を曇らせ、元飼い主のことを悪く言ったり、ご自身が知っている虐待された犬のエピソードなど、ネガティブなお話をはじめるそうです。

けれども、シロちゃんの飼い主さんは、「可哀想なヨボヨボの捨て犬」に同情して「保護してあげた」とゆー風には思っていらっしゃらないんです。


「いつかは引取り手のない犬を飼おうと思っていたんです。」


そんな飼い主さんがおうちの前でシロちゃんに出会った・・・


「ようこそ!ウチにいれば幸せだよ。

少なくともゴハンはウマいさ♪」


そんな風にして、シロちゃんとの生活が始まった・・・


「そして、シロちゃんは今 幸せそうに見えるし、私も幸せで、シロちゃんを捨てた元飼い主に感謝するほどです。」



◇ペットは趣味です


シロちゃんの飼い主さんはまた、次のようにおっしゃっています。


「私は”ペットは家族”というくくりに違和感を感じています。

人のように扱うのも考え物だと・・・

動物はみな、誇り高き生き物だと考えています。

初代の愛犬を看取った時にそう思わずにはいられませんでした。」


そして、


「ペットは人にとって趣味です。

趣味だから、楽しまなくちゃダメなんです。

趣味だから、他人に迷惑をかけてはいけないんです。

『また拾ったらどうするの?』

って訊かれることあるけど、もう拾っても飼いません。

キャパを超えれば楽しめなくなるし、他人に迷惑をかける。

私もご近所も不幸になる。

そう思っています。」



◇ヨボヨボ捨て犬 シロちゃんがもたらしたもの


「死んじゃってもいい」

とか

「ペットは趣味です」


という言葉を聴くと、シロちゃんの飼い主さんの周囲の人は大抵黙ってしまうそうです。

もしかすると、この記事を読んでいる方の中にも


「そんなっ・・・冷たいんじゃない?!」


というような感想をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。


でも、シロちゃんの飼い主さんは、客観的に拝見して、とても愛情いっぱいにシロちゃんを飼っていらっしゃいます。


「ウチの〇〇チャンは大事な大事な家族で、私の生甲斐なんです」


と言いながら、事前面談を兼ねた見学をご提案すると


「ええ?面倒くさいわねぇ」


とおっしゃる飼い主さんがおられる一方で、シロちゃんの飼い主さんはお仕事の合間を縫ってちゃんと事前面談にお越しくださいましたし、お預け時に託されたシロちゃんのごはんは、ドライフード+手作りごはん

口ではドライなことをおっしゃっていても、シロちゃんに多くの手間と時間を割いてあげているのが判りますね。


そして、なにより飼い主さんもシロちゃんも、とっても幸せそうです。


そんなシロちゃんを今の飼い主さんが引き取ったことを知ってから、ご近所の方が犬の里親ボランティアを始められたそうです。

また、ご友人の娘さんが”犬の販売方法~捨て犬が生まれる現状”に疑問を抱き、


「将来はこんな環境を改める社会活動に従事したい」


とお勉強を始められたそうです。


飼い主さんは、そんな風に周囲に変化をもたらす「ヨボヨボ捨て犬のシロちゃん」のことを


「神様からのプレゼント」


のようだと感じていらっしゃるそうです。




長くなるので、つづきはまた次回にさせてくださーい(^▽^)





<今日のPet Hotel 11!>

モカ教祖「さ~~あ、オマエたち~~!」

「祈りなさ~~~~~い」
なつ&チャコ「ははぁ~~~~~!」

ボス「お祈りごっこは終わったの?」
チャコ「うん、おわった~」

はじめまして、Cちゃんでーす♪
綺麗な模様と味のある表情がチャームポイントなの

雨が降るって!お外遊びは今のうち今のうち~!

Cちゃんはドッグランをひたすら走り回っていました(^▽^)

あらっ?!
あなたは・・・もしや教祖さま?!(;'∀')
毛刈りの儀式を終えた教祖さまのおな~~り~~~!

Cちゃん「ねえねえ、お祈りごっこ、ワタシもしたーい」
モカちゃん「もう飽きたの」
(;'∀')





2018年5月29日火曜日

命の尊厳について①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




ちょっと仰々しいタイトルになってしまいました(;^_^A



前回のブログ、「愛犬を他人に託す時(最終回)」の最後の方で、ペットホテルやお散歩代行、トリミングサロンなどを利用するとき・・・つまり”他人に愛犬を託すときに、飼い主さんは「命を預けるという意識」を持ちましょうってお話をしました。

また、その前に書かせていただいた「おりこうワンちゃんのレシピ(最終回)」では、飼い主さんがおおらかで心身ともに健全であることの大切さを書かせていただきました。


今回お話する内容は、これらのお話の根底にある「精神論」のようなものです。

あまり、耳障りのよいお話ばかりではないかと思いますが、ぜひご一緒に考えてみていただきたいと思います。



【印象に残った飼い主さんのお話(その1)】


このお仕事をしていると、ワンちゃんの飼い主さんと出会う機会も他の方より多くあります。

「命をお預かりする」という性質のお仕事をしているだけに、時には飼い主さんの愛犬に対する死生観に触れるような貴重な機会もあります。

中でも、特に印象に残った飼い主さんのお話をふたつ、ご紹介させていただきたいと思います。


●Kちゃんの飼い主さん


前回の「他人に命を託す時」シリーズの中で、お泊り中に病院に連れて行くことになったワンちゃんたちのエピソードを紹介しました。

胃捻転になり、病院に担ぎ込んだKちゃんのエピソードもそのひとつです。

リアルタイムのブログ(詳しい内容)はコチラ↓をお読みください。


「Kちゃんの胃捻転と飼い主さんの覚悟」

「胃捻転のKちゃんについて【ご報告】」


※お話の内容は以前書いたものと多くの部分が重複していますが、今回のテーマを書くにあたって、あらためてお話したかったので、どうかご理解ください。


Kちゃんは、10~11才くらいの、ポインターMIXで、元保護犬です。

Pet Hotel 11!にお泊り中、胃捻転により容態が急変して、わたしが病院に担ぎ込んだ時には、まさに三途の川を犬掻きで渡ろうとしている最中でした。


・レントゲンの結果、胃捻転であることは確実。

・胃のねじれを解消する手術が必要になるかもしれないが、高齢のため麻酔から生還する確率はあまり高くない。

・年齢を考えると、今回の胃捻転を乗り越えてもそう先が長いかどうかはわからない。


というような獣医さんのお話を飼い主さんにお伝えし、ご判断を仰がなくてはなりませんでした。

どういうことかというと、


「このまま放っておけばKちゃんは死んでしまうかもしれないけれど、手術をしても助からない可能性は高い(手術に耐えられるかどうか判らない)ので、今がKちゃんの寿命だという考え方もありかもしれませんよ」


ということです。

人によっては「そんな・・・冷たすぎる!」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、手術をすれば高額の医療費がかかるため、獣医さんとしては飼い主さんがどちらを選択しても罪悪感を抱かなくて済むようにとの配慮をしてくださったのだとわたしは思っています。

その時、Kちゃんの飼い主さんがおっしゃったのは、次のようなことでした。


「Kが助かる可能性が少しでもあるのなら、どんな処置でも”やってみる”という方向でお願いしたいです。

たとえ、それ(麻酔や手術)によってKが戻らなかったとしても、諦めるのではなくて生きる可能性に賭けたいと思います」


Kちゃんはその後、手術をすることなくお腹のガスを抜いてもらうことで胃の捻じれが元に戻ったため、体力を回復させるためにそのまま入院して点滴を受けながら飼い主さんのお帰りを待つことになり、わたしたちは少しホっとしました。

今後のことは、お帰りになってから飼い主さんがゆっくりと考えることになる・・・はずでした。

つまり、胃捻転の再発を防止するための手術を高齢のKちゃんにするかどうか・・・という判断についてです。


けれども、先のような飼い主さんのご意思を伺っておいて本当によかった!という事態が翌日の朝方に起きました。

Kちゃんは獣医さんのところでふたたび胃捻転になってしまったのです。

未明の出来事だったため、獣医さんはKちゃんに緊急オペを行いました。

胃のねじれを戻すと共に、再発防止のために胃の固定術も施してくださいました。

その結果、Kちゃんは無事に生還し、旅行から帰ってこられた飼い主さんに再会できましたし、2か月経った今も元気にしています♪

以前より少しふっくらしてますます元気になったくらい(^▽^)


簡単に概要をお話しましたが、飼い主さんがお帰りになるまでの間、Kちゃんを入院させてからも、わたしは何度も獣医さんに電話で様子を訊いたり、Kちゃんの様子を見に行ったりしていました。

そして、獣医さんのお話やKちゃんの様子を飼い主さんにご報告していました。

Kちゃんの命をお預かりした以上、そうするのが当然だからです。


飼い主さんの代わりとして、Kちゃんにできることはわたしたちなりにできる限りやったつもりではいましたが、それでもお預かりしたKちゃんを辛い目に遭わせてしまったことについて、


「お泊り中、Kちゃんはストレスを感じていたのかもしれない。それが胃捻転の引き金になったのかもしれない」


と、飼い主さんに対して心苦しい気持ちもありました。

お電話で飼い主さんにそのようにお話し、お詫びを申し上げた時、飼い主さんは次のように言ってくださいました。



「実は、わたしは看護師をしています。

人間にしても犬にしても、人の手に”預ける”ということは、”命をまるごと預ける”ことだと思っています。

わたしは、ワンワンさんを責める気持ちは、本当にまったくありません。

Kの年齢もわかった上でお預けしているんですから。

むしろ今回のことで、ワンワンさんには大変ご迷惑をおかけしてしまって、こちらの方こそ申し訳ない気持ちでいっぱいです。

Kの命をお預けした以上、何が起きてもそれはわたしたちの責任です。

そして・・・もし、万が一のことがあったとしても、それは大変つらく悲しいことではありますが、それがKの運命というか・・・仕方のないことなのだと思っています。」



印象に残った飼い主さんのお話(その2)は、長くなるので次回にお話させていただきまーす!





<今日のPet Hotel 11!>

”なつ”のテンションが⤴なのは・・・

昔一緒に暮らしていたモカちゃんが
やってきたから~~~♪

やってきてすぐにドッカ!とクッションを
占領してくつろぐモカちゃん(;'∀')

モカちゃんがお庭に出れば・・・

”なつ”とチャコが金魚のフンのように・・・

隊列を作ってついて行き・・・

モカちゃんが右を向けば
”なつ”もチャコも右を向き・・・

モカちゃん「ちょっと、なんでついてくるのよぅ?!」
モカちゃんはちょっぴり迷惑そう(笑)

とうとうお部屋に帰って、この暑いのに”イオホイ”
の中に籠っちゃいまいした!!

ボス「女子ばっかりでつるんでて、肩身が狭いよぅ~」

がんばれボス(;^_^)









2018年5月28日月曜日

愛犬を他人に託す時⑥(最終回)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回ブログのつづきです。


【信頼を担保するもの】


●ラッキーだっただけ?


前回のブログでは、Pet Hotel 11!でお預かりしている間に、ワンちゃんが体調不良になったりケガをしてしまって病院に連れて行った時のエピソードをご紹介しました。

ご自身のワンちゃんをお散歩代行やシッターさん、ペットホテル、トリミングサロンなどに託している時に、こういった事態が起きるかもしれないということを、少し想像してみることができたでしょうか?


幸い、こういったケースで飼い主さんとわたしたちの関係が、事後に壊れるようなことは今までありませんでした。

むしろ、お迎えにいらした時に飼い主さんの方から


「かえってご迷惑をおかけしてしまって申し訳ございませんでした」


という温かいお言葉をいただき恐縮しています。

つくづく、わたしたちはいいお客様に恵まれているなぁ・・・と日々感謝しております。


けれども、飼い主さんと私たちがこのような良好な関係が築けているのは「たまたま」その飼い主さんたちがいいお客様だったからというだけでしょうか?

わたしは、決して「たまたま」ではないと思っています。



●もっとも大切な共通認識


大切なワンちゃんを他人に託す飼い主さんと、託される側の人間の間で、もっとも大切な共通認識はなんでしょうか?


「こっちはお金を支払っているんだからお客様だぞ!」

「ははぁー!お客様は神様ですぅ~」


ってゆー認識でしょうか?

違いますっ!!


ワンちゃんを託される側は確かにお金をいただいていますが、その金額に見合うだけのことをしていれば、そこはトレードオフになっているはずですから、まったく卑屈になる必要はないと考えています。

(・・・って、お預かりする側のわたしが言うのもナンですけどね)


飼い主さんと預かる側が共通で持っておくべき重要な認識は、次のようなことです。


・主役は預けられるワンちゃんである。

・だからわたしたちはお互いにワンちゃんのことを一番に考えましょう。

・当然、委託(受託)中のワンちゃんに何かあった時は協力し連携して最善の道を選択しましょう。


こういった意識が共有できているかいないかで、有事の対応は大きく変わってきます。


たとえば・・・

ペットホテルに預けている愛犬が緊急オペが必要な状態に陥ってしまったとしましょう。

ペットホテルからかかってきた電話に飼い主さんが確実に応答できる確率って実はそんなに高くないと思いませんか?

上記のような共通認識が持てていれば、もし飼い主さんご自身が電話に出られなくても、


「預けた相手はきっと愛犬のために最良の判断を私の代わりにしてくれる」


そういう安心感が持てるのではないでしょうか?

逆に、上記のような認識を共有できていなかったら、旅行中だろーが葬儀列席中であろーが出張会議中であろーが、不安で不安で心底楽しめないのではないですか?


預かる側からしても同じことが言えるんです。

上記のような共通認識が飼い主さんとの間になければ、預かっている側は飼い主さんに連絡がつかないまま緊急オペのGOサインを獣医さんに出すことはとてもできません

だって、何十万の費用がかかるかもしれないんですからね!


「何を勝手にオペの許可なんか出してるんだ?!こっちは頼んでもいないんだからびた一文払わないぞっ!!

そればかりか、こちらの意向を無視して勝手な医療行為を愛犬に受けさせたことによる慰謝料を請求するっ!!」


って飼い主さんから言われちゃうリスクを背負うことになるんです(;´Д`)


その結果、


「申し訳ございません。何度もご連絡したのですが繋がらなかったので〇〇ちゃんは残念ながら・・・」


なんてこともあり得ちゃうわけです( ノД`)



●昨日今日会った相手をどう信頼すれば・・・?


では、上記のような共通認識を飼い主さんと預かる側とで持つためにはどうすればいいんでしょう?

つまり、


「この人(業者)はイザという時にわたしの代わりを果たしてウチの子を親身に守ってくれるだろうか?」


ということを、どうやって見極めればいいんでしょう?


愛犬を託す人は「信頼できる人」がベストだと以前お話しましたが、実際に長い人間関係を築いてきたわけでもない相手を心底信頼するなんて到底無理なお話ですね。


「パンフレットやホームページに書いてあることがよかったから」

「施設の写真が綺麗そうだったし、オーナーさんの写真も優しそうだったから」


などというイメージで選んではいけないことは明白ですね~?


最低限、予約を確定する前に飼い主さんご自身でワンちゃんをお世話してくれる人と直接会ってお話しておきたいはずです。

ただ!その時点でチョーーー感じ悪い対応をする商売人なんかほぼいません。

(ガンコオヤジが売りのラーメン屋じゃあるまいし・・・)


何が言いたいかと言うと、ただ会って話しゃーいいってモンじゃないよ!

ってことなんです。



●シビアな見極めポイント


もちろん、人間同士ですから会ってお話すればある程度のことは解ります。

それに加えて、その人(業者)が有事を想定しているかどうか?を見ておく必要があるんです。


それは、申込書や規約を見ることである程度わかります。



Pet Hotel 11!の場合、初回に飼い主さんにお書きいただく申込書には、次のような項目があります。


<ワンちゃんの健康管理に関する項目>


・病歴(既往症)

・現在の通院について

・かかりつけの獣医師名と連絡先

・アレルギーの有無



<飼い主さんへの連絡手段に関する項目>


・ご本人の電話番号

・メールアドレス(可能な限り)

・緊急連絡先(ご本人に連絡がつかない場合)



これらの項目を空欄にされる飼い主さんはけっこう多いのですが、その理由は、まさかの事態など想像もしていらっしゃらないからなのでしょう。

でも、予想もしないような出来事というのは、予想もしない時に予想もしない形でやってくるに決まってるじゃないですか~~~!

そのためわたしたちは、空欄にされている飼い主さんには


これらの項目が「もしもの時」にいかに重要な意味を持つか


をお伝えするようにしています。


たとえば・・・

ワンちゃんが病院に担ぎ込まれたときに、かかりつけの獣医さんの連絡先があらかじめ判っていれば、獣医さんがワンちゃんの診察履歴を知りたいと思われた際に、すみやかにかかりつけ医に照会でき、ワンちゃんの処置のための貴重な時間を浪費することが避けられます。

また、場合によっては緊急手術に飼い主さんの承諾が必要になることもありますので、連絡手段はできるだけたくさんお書きいただいておいた方が連絡がつく確率が上がりますよね?

メールアドレスをお書きいただいた飼い主さんには、日々のワンちゃんの様子をご報告させていただくことができるので、ちょっとした体調の変化にも飼い主さんが指示を出すことだって可能になります。

(お腹がゆるいなら、ごはんを一食抜いてみてください・・・などといった指示ですね)



こういう説明をきいて初めて、有事のことについて


「確かに・・・!」


と想像を馳せる飼い主さんも結構いらっしゃいます。

そして、先ほどまでは


「注意してほしいことですか・・・うーん、特にありませ~ん♪」


とおっしゃっていた飼い主さんでも


「実はこの子、昨年の夏に脱臼しまして・・・」


とか


「お腹が空きすぎると吐いちゃうことがあって・・・」


などとお話下さることも多いんです。


もしかすると、そういう情報を伝えると預かってもらえないかもしれないと思っていらっしゃるのかもしれませんね(;'∀')



●命を預けるという意識


飼い主さんにしてみれば、規約なんか読むのも面倒かもしれません。

申込書に記入欄がいっぱいあると、


「ムキーーーーッ!!」


ってなっちゃうのかもしれません。

でも、それらの中に、


「本気でワンちゃんを大切にお預かりしようと考えていれば、当然知っておかなくてはならない情報」


が見当たらず、やたら手続きがお手軽すぎるお店に、本当に愛犬の命を託して大丈夫なんでしょうか・・・ということを考えていただきたいと思います。


一旦、愛犬を他人の手に託してしまったら・・・

託している間、飼い主さんが直接愛犬にしてあげられることはないんですからね!

目の前に立っているその人こそ、アナタの愛犬の命を預かるキーマンなんですからね!!


それを念頭に置いて、託せる相手かどうかをシッカリと見極めてください。




<今日のPet Hotel 11!>

ボス「ねむ~~~~~い」

なつ「ねむ~~~~~~い」

チャコ「ねむ~~~~~~い」
(ウソつけ!寝すぎておめめパッチリじゃないの!)

ボス「さ、お料理番はどっちのボールでボクと遊びたい?」
お料理番「え・・・・・」

甘えん坊のCちゃんが遊びに来てくれたよ!

Sちゃん、朝のお散歩
ルンルンで歩いているけど・・・

疲れちゃうからこの辺で引き返そうか~
Sちゃん「え~~~!やだぁ~」
・・・って言いながらとってもおりこうに帰りました。
Sちゃん、長生きして、またおいでね~!







2018年5月27日日曜日

愛犬を他人に託す時⑤(実際に起きたエピソード)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回ブログのつづきです。



【有事への想像力】



わかっちゃいるけど、なかなか現実的に想像することが難しいのが有事の時のことです。

愛犬を他人に託す時に、ほとんどの飼い主さんは


「愛犬は無事に過ごして、予定通り元気に帰ってくる」


と思っていらっしゃるに違いありません。

そうでなければ、そうそう他人に預けることなどできませんからね。


だけど、よく考えてみてください。


ワンちゃんを他人に託す時というのは・・・


ワンちゃんは、慣れ親しんだ飼い主さんと離れ離れになり、精神的に不安定な状態になっています。

ストレスから体調を崩す可能性だって、普段よりもずーっと高まるとは思いませんか?


むしろ、他人に愛犬を託す時こそ有事の場合を想定しておかなくてどーするんですっ?!


・・・ということを飼い主さんには強く申し上げたいんです。



【Pet Hotel 11!で実際に起きた事例】



Pet Hotel 11!にお泊り中、この1年半の間に獣医さんに連れて行ったワンちゃんは3匹います。

そのエピソードをご紹介しますので、飼い主さんたちにはぜひ疑似体験していただき、他人に愛犬を託す際に


「ウチの子がこうなるかもしれない」


という想像力を働かせる一助にしていただければと思います。

そうすればおのずと、他人に愛犬を任せる際にどういったことに気を付けて、どういう準備をしておくべきか?ということが見えてくるのではないでしょーか?



※3匹のうち以下の2例は、リアルタイムで当時のブログに書いていますので、記事リンクを貼っておきます。


繊細なイタグレRくんのストレス性腸炎


Kちゃん(保護犬ポインターMIX)の胃捻転

Kちゃんの胃捻転(続編)




●Fくん(ミニチュアダックス) お顔の負傷


◇読めないFくん


Fくんは、他のワンちゃんと遊ぶことがほとんどない子でした。

遊ばないからといって、ワンちゃんがキライなのかというとそうでもないんです。

他の子との距離の取り方があまりよくわからないところがあって、避けていたかと思うと、特定の子に執着して後を追いかけてはマウンティングしようとしちゃうような、なかなか行動が読みにくいクセがあります( ´∀` )

そのため、わたしたちはFちゃんが他の子にしつこくして揉め事が起きないように、常にそばについて様子を見るよう気を付けていました。


◇一瞬の出来事


その日も、Fくんは1匹のワンちゃんを気に入って後を追いかけ始め、追いかけられているワンちゃんがイヤそうにしていたので、注意してやめさせていました。

Fくんは、注意すればすぐにやめるのですが、少し経つと忘れちゃうんですね(;^_^A

何度か注意した後、Fくんが追いかけるのを諦めたので


「ヨカッタヨカッタ!いい子だねぇ~~Fくん♪」


と言っていた時です。

Fくんが、それまで苦手にしていて、自分からはまったく寄って行かなかったDくんに近づいていきました。


「Fくんが自分からDくんのところに行ったよ!すごいねぇ~!」


と見ていた次の瞬間、なんとFくんは自分よりかなり大きな体のDくんに、おもむろに乗っかろうとしたんです(;'∀')

わたしたちは驚いてやめさせようとしましたが、一番驚いたのはDくんでした。

わたしたちが止めるより一瞬早く、当然の行動として


「オイやめろよっ!!」


・・・と言うように唸って、Fくんの方を振り向きました。


「キャーーーンッ!!」


Fくんは悲鳴をあげましたが、Dくんが咬みついた様子がなかったので、見ていたわたしたちも単にFくんは恐怖で悲鳴をあげたのだと思っていました

ところが、


「あ~あ、ホラねFくん、怒られたでしょ~~?」


とFくんに近づいてびっくり仰天!

Fくんの目のすぐ下の皮膚が切れて血がにじんでいるではありませんか?!




◇どういうこと?


Dくんは「やめろっ!」と威嚇しただけで決して咬みついたりはしていません。

ただ、威嚇する時のワンちゃんの顔を思い浮かべてみてください。

鼻の頭にしわを寄せて歯をむき出したあの顔ですね(←コワいよね~)

たいていの場合、威嚇される側のワンちゃんもある程度そういうことを想定しているので、威嚇されたらサッとかわすのですが、Fくんは先述の通りそういったワンちゃん同士の距離感がいまひとつわかっていない子だったので・・・


の~んびりした動きでおもむろに乗っかろうとして・・・

威嚇されてもの~んびりとおもむろに


「あらま、じゃあやめとこうかしらん?」


という感じでよけるんですーーー(;´Д`)


そのため、歯をむき出して振り向いたDくんの歯がFくんの顔に接触してしまったんですね・・・



◇飼い主さんにご連絡


Fくんのケガは命にかかわるようなものではありませんでしたし、本犬さんも痛がる様子は見せていませんでした。

けれども目のすぐ下だったので、角膜に傷がついたりしていないか?ということが心配でした。

そこで、すぐに飼い主さんの携帯にお電話を入れましたが通じず、メールすることにしました。

以下は、飼い主さんにお送りしたメールの内容です。



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つい今しがた、Fくんがお友達ワンちゃんと遊んでいてケガをして
しまいました。

Fくんがマウントしようとして、そのワンちゃんが怒ってしまったのですが、あっという間で止められませんでした。

申し訳ございません!

右目の下に小さな傷が2つ。
眼球は大丈夫かと思いますが、念のためお医者さんに連れて行ってもよろしいでしょうか?

本犬さんはその時はキャーン!と言いましたが、その後はケロリとしています。

とりいそぎ画像を添付いたします。

ご判断をお願いいたします。
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少し待ってみたのですが、お忙しいようで飼い主さんからのお返事はありませんでした。


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すみません。

Fくんの様子に特に変化はありませんが、やはり念のためご連絡を待たずに病院へ連れて行くことにしました。

また後程ご報告申し上げます。

お電話いただく際にはモバイルの方にお願いいたします。

とりいそぎ・・・
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病院に行った後、次のようにご報告しました。


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先ほど病院に行ってきました。

咬まれたのではなく歯が当たった程度なのでまったく心配はいらないとのことでした。

皮膚も毛も薄い部分だったので歯が当たっただけで切れてしまったようです。

幸い、眼球や角膜にも傷はありませんでした。

抗生物質のお薬を処方するほどでもないとのことで、念のため化膿を防ぐ軟膏を出していただきました。

傷が治るまで寝る前に1日1回塗ってあげればいいそうです。


わたしたちがついていながら、たいせつなFくんに傷を負わせてしまい、
本当に申し訳ございませんでした。
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むむむ・・・今回で最終回にするつもりでしたが、ちょっと長くなってしまったので続きは次回にさせていただきまーーす(;^_^A


ちなみに、リンクを張ったKちゃんの胃捻転ですが、つい先日飼い主さんからメールをいただき、Kちゃんはとっても元気にしているそうです♪





<今日のPet Hotel 11!>

チャコ「ねえねえBくん、ちょっときいてよ。
アタシはね、ハマダイコンの葉っぱが大好きなのよ。
だってハマダイコンの葉っぱって、
すっごく美味しくてさ~・・・そんでもって・・・」
Bくん「・・・・・」

あ・・・寝ちゃった(汗)

Bくん「あり?起きたらチャコちゃんいないー!
つづき、聴くよ~~」

柴犬が大の苦手のLちゃんだけど、
優しいBくんとならお散歩できるのヨ!

だからウンチだって待っててあげるワ♪

Sちゃん、お外大好きよ~!
土のところにも、もう自分で上がれるの。
すごいでしょ~?!

でも・・・ちょっと暑いわねぇ

ヨイショ、ヨイショ・・・

はぁ~~・・・ココ、ココ♪
日陰のコンクリートはサイコーなのよねぇ~

みーんなにとっても優しくしてくれたBくん、
ありがとうね♪
またおいで~~~!