2018年5月22日火曜日

おりこうワンちゃんのレシピ(最終回)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回のブログのつづきです。


【レシピ4 もっとも大切なこと】


「おりこうワンちゃんのレシピ」と題して、愛犬が「穏やかで落ち着いたワンちゃん」でいるために飼い主さんがどう振る舞うべきか、というお話をしてきました。

シリーズ最終回のきょう、今までお話してきたどの内容よりも最優先すべき、もっとも大切なレシピについてお話したいと思います。

まずは、今までのレシピのポイントと、その目的についておさらいしておきます。



●前回までのおさらい(まとめ)



◇ワンちゃんと閉ざされた関係にならないよう、多くの出会いや経験に連れ出そう。


・ワンちゃんにとって「未知=怯えの対象」が減り、精神安定につながります。

・共に多くの体験をした飼い主さんとの絆が強まります。


◇ワンちゃんにとってのフェアなリーダーでいるよう心がけよう。


・ワンちゃんが自らすすんで飼い主さんに「ついていきたい」という気持ちになります。


◇次の事柄の「メリハリ」を意識しよう。


■「叱る」と「褒める」
■「許可」と「禁止」
■「構う」と「構わない」
■「あげる」と「片付ける」(与える物に関して)
■「入っていい場所」と「入ってはいけない場所」(家の中で)
■出入口の通過は「飼い主さんが先」「ワンちゃんは後」

・ワンちゃんに守ってもらわなくてはならない「人間社会のルール」を解りやすく示してあげることによって、ワンちゃんが「いい子」にしやすくなります。

・リーダーは飼い主さんであることを、常にワンちゃんが認識できます。


すべては、飼い主さんがワンちゃんにとっての「よきリーダー」でいるためのレシピだということがお解りいただけるでしょーか?



●すべてを台無しにしてしまうこと


上記の事柄のすべてが完璧にできていたとしても、これからお話することができていなければ、ワンちゃんから「よきリーダー」だと認めてもらうことはできません。

逆に、上記の事柄が多少いい加減になってしまったとしても、これからお話することができていれば、ワンちゃんの信頼を大きく失うことはないかもしれません。


さて・・・それは一体どんなすごいことなんでしょ~~?!

いえいえ、それは本当にシンプルなことなんです(^▽^)


ワンちゃんとの関係で飼い主さんが一番たいせつにすべきもの・・・それは、


「飼い主さん自身が穏やかで落ち着いていること」


です。


な~~んだ!!って感じでしょ~?(笑)

でも、コレホント!



●リーダーの資格


「カリスマ性」という言葉がありますね。

元々は「神から授かった特殊な能力」という意味ですが、今では


「人心を強く惹きつける魅力」


といった意味で使われています。

このカリスマ性を持ったリーダーを崇拝する人々の心理を想像してみてください。

強いカリスマ性があるリーダーというのは、決して完璧で隙がない人とは限りません。

冷静になってみると、理屈の通らないアンフェアな言動をしていたり、ウッカリミスをすることもあります。

にも拘わらず、それらを打ち消すほどのオーラや威厳に、人々が妄信的についていく・・・というような事例を、わたしたちは何度も目撃していませんか?

もちろん、あまりにもアンフェアやウッカリのレベルが酷いとオーラのメッキも剥がれてしまいますけれど・・・(-_-;)



●動物の群におけるリーダー像


これは、動物界における群のリーダーにも共通しているものです。

むしろ、言葉に惑わされる人間などよりもずっと、動物はリーダーのカリスマ性を直感的に感じ取っています。

では、動物の群におけるリーダーのカリスマ性ってどんなものでしょう?


群を統率するリーダーが、ちょっとした物事に動じて冷静さを欠いた判断をしたら・・・

それは自然界で生きている動物にとって、即命のリスクとなります。


リーダーがオドオドした態度をしていたら・・・

下にいるメンバーたちにはたちまち不安が伝播し、群はパニックに陥ってしまいます。


自然界は大変厳しいものですから、このような情緒不安定なリーダーに、メンバーたちがついていくような甘っちょろいことはあり得ません。

ひとたび「資質のないリーダー」という烙印を押されたリーダーは、たちまち群のメンバーから袋叩きに遭い、群を追われるか八つ裂きにされてディナーにされてしまうんですよ~(;'∀')



つまり、動物の群において、カリスマ性のあるリーダーというのは、群のメンバーが


「自分たちの命を預けるに足る資質」


認めざるを得ない者でなくてはならないんですね。



わたしたち飼い主がワンちゃんからそんなカリスマ性のあるリーダーだと思ってもらうためには「精神の安定」が不可欠だってことなんです。



●精神が安定していないリーダーは


ワンちゃんとの日常の場面で、飼い主さんが精神の安定を欠いてワンちゃんからリーダーの資質を疑われそうな事例を考えてみましょう。


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・すごく忙しい時や疲れている時に、愛犬がお布団の上に粗相をしてしまったので、つい自分を見失ってヒステリックに叱ってしまった。


・お散歩中、愛犬が苦手とする大型犬が向こうからやってきたので、つい取り乱して愛犬を急き立てるようにリードをグイグイ引っ張って大慌てで逃げてしまった。


・愛犬が見ている前で、家族と言い争いになり、イライラして投げやりな態度を取ってしまった。


・愛犬が吠えればすっ飛んで行って撫で、愛犬がグズってごはんを食べなければすぐに気に入りそうな代わりのものを持ってくるなどといった、まるで愛犬のご機嫌を取る小間使いのように振る舞ってしまっている。
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どうですか?

類似した行動を、愛犬の前でしてしまってはいませんか?

ワンちゃんに対する直接の言動だけでなく、それ以外の時もワンちゃんは飼い主さんの振る舞いを実によく観察しています

そして、飼い主さんにリーダーとしてのカリスマ性や資質がないと判断したら・・・残念ながら愛犬は飼い主さんを小馬鹿にしたような態度を取るようになるか、自分がリーダーとなって飼い主さんを屈服させようとするでしょう。

わたしたち人間だって、上記のような振る舞いをする人をリーダーだと認めることはできませんよね?


「器の小さいヤツ」


そう認識してしまうのではないでしょーか・・・



●ダメ犬の魅力


今回、わたしがお話してきたような「おりこうワンちゃんのレシピ」がただのひとつもできていないにも関わらず


「それでもウチのワンちゃんは、少々困ったことはあるものの咬みつくなどの大きな問題行動はないし、ダメなところも含めて可愛いと思えているから、そこそこうまくいっている方だと思うんですけどーー?!」


という飼い主さんは多いと思います。

実際、ワンちゃんを飼っている人にとって、ワンちゃんのちょっとダメなところたまらなく可愛いんですよね~~(笑)

わたし自身も、お散歩中にサラダバー感覚で草をムシャムシャ食べている愛犬チャコを注意した時に、急いでゴックン♪してから口をパッカーンと開けて見せ、「ごめんなさ~い」と仰向けに転がるチャコの姿を見ると、ついつい笑みがこぼれて叱りたくなくなってしまうので、ダメ犬を可愛く感じる心情はよーーく理解できます。

きっと、そういうこともワンちゃんと暮らす上での大きな楽しみのひとつなのだと思っています。

もしかすると、自分の愛犬が優等生のように振る舞うことを望んでいる飼い主さんはあまり多くないのかもしれません。


けれども、ある時ハッと気づいたら、飼い主さんやご家族の日常生活に支障が出るような困った行動を愛犬がするようになってしまっていたり・・・

飼い主さん自身の事情や生活が変わって、今までは笑って許容できていたワンちゃんの行動を許せない状況に追い込まれてしまったり・・・

そういうことは、誰にでも起こり得ることだということは、常に覚悟しておかなくてはならないと思います。

それができない「見通しの甘いリーダー」だった結果として、愛犬を手放してしまう無責任な飼い主になるなど、あってはならないことです。



●完璧は無理でも・・・


かつて新米ママだったころ、わたしは完璧な母親像を目指して張り切っていました。

家事も育児も完璧にこなし、なおかつ綺麗なママでいようと鼻の穴を膨らませていたわたしは、忙しい時に限って熱を出したり夜通し泣きわめいたり、お料理をひっくり返したり・・・予想もつかないことばかりをする目の前の


「ギャーギャーウンコチン〇星人」


に疲れ果て、連日の寝不足も手伝ってすっかり気持ちのゆとりや精神のバランスを失っていました。

お風呂の中で、


「わたしはダメな母親なのかしら?誰にでもできていることが、どうしてちゃんとできないのかしら・・・?」


と、無性に悲しくなってポロポロと泣いたことも何度もありました。

そして、ある時気づきました。


「こんなに気持ちのゆとりがない、いつもイライラしているお母さんなんて、わたしが子供だったら絶対にイヤだな・・・」


ってことに。

それからは、少しくらい家の中が雑然としていたって、少しくらいお料理が手抜きだって、心身共に健康なお母さんが、いつもドーーーンと落ち着いて笑っている方がいいに決まってる!!

そう思って子供たちと接してきました。



お話してきた「おりこうワンちゃんのレシピ」の中で、一番大切なことは飼い主さん自身が「穏やかで落ち着いていること」だとお話したのは、そういうことなんです。



●理想のリーダー像


さて、では結局のところ「理想のリーダー像」とはどういうものだと思いますか?

お話してきたレシピを完璧にこなし、なおかつ常に穏やかで落ち着いている・・・そんなリーダーだと思いますか?


いいえ、わたしはそうは思っていません(←はぁ?)


完璧すぎるリーダーというのは、完璧でいられないメンバーの気持ちを解ってあげることができないという大きな欠陥を抱えていると思うからです。


ですから、わたしが考える「理想のリーダー(飼い主さん)像」は、次のようなものです。


「完璧を目指して頑張るんだけど完璧にはなれない・・・だけどそんな自分を許しつつ、いつもおおらかな気持ちでワンちゃんと接することができる余裕のある飼い主さん」


どうです?

これならできそうな気がしませんか~~~?






<今日のPet Hotel 11!>

すごーーーくお散歩が上手なL兄弟(パチパチ♪)

でも、砂浜ではやっぱりテンションがあがって
はしゃいじゃうの!そこが可愛いんだよね~~(^▽^)

お庭遊びで暑くなっちゃった!

プールの休憩時間みたいに木陰で休憩する
おりこうさんたち(拍手)

一方そのころ・・・
チャコ、日なたで寝てると干物になっちゃうよ(-_-;)


「ちわーっス またお泊りにきてやったよ~!」
ありがとね Yくん(;'∀')

大好きなお散歩でごっきげん♪

でも、後続が後れを取るとちゃーんと待っている
やさしい子なんだよね~♪

ヘルニアでお散歩を2週間ガマンしたボスも
今日からお医者さんのお許しが出て
みんなと一緒におさんぽ!
ウッキウキだったね♪